大東学園の三者協議会は、日常生活から切り離された”イベント”ではありません。 もちろん”イベント”には、エネルギーを凝集する道程で生徒が育つ作用もあります。文化祭や体育祭はその一つの例でしょう。でも、非日常である”イベント”が終わると、何事もなかったかのような倦怠感が漂う日常に戻ってしまうというのでは残念なことです。
しかし大東学園の三者協議会はそうではありません。 大東学園では生徒・保護者・教師からなる事務局が、定期的に会合を開き、年2回の三者協議会という「点」をつないで「線」にする役割を担っています。でもそれだけでは、大半の生徒や関係者にとっては無関係な「非日常」にとどまってしまいます。
日常の学園生活の中から問題意識が生みだされてくること。
自分たちでそれを解決しようという動きが生みだされること。
感じたこと、考えたことを安心して言える空気と関係が生まれていること。
こういった要素がそろい、三者協議会という舞台装置と日常の授業・生活空間とを多くの生徒が往復することによって、生き生きとした学校がつくられるのだと思います。生徒一人ひとりが、教師や保護者、地域の人々といった大人との関係の中で日常生活を作り変えていく。 それは決して、特別なできごとではないのです。大東学園はそれぞれの声を大切に日々変化していく、そういう力強さのある高校です。
合衆国や日本の教員人事考課制度を直接の素材として、教育の自由・教育権の内実の原理的解明にとりくむとともに具体的に保障する制度・しくみづくりに関心を抱いている。そのためには教育学・法学のみならず行政学・政治学・経営学など社会科学の諸領域を広く渉猟する必要性があると痛感している。教育法学が学として形成されて30 余年経つが、21 世紀に向けて学としての体系を深化・発展させることに貢献したい。同時に大学人の使命は教育・研究活動とともに社会的貢献にあると思うので、何ができるのか模索したいと考えている。
聖路加国際病院は日米戦争終戦直後から約10年間、築地の病院はGHQ命令で昭和20年9月より米国の陸軍病院となりました。
聖路加国際病院は病院業務を縮小し、築地にあった元東京市立整形外科の外来診療所を借用して、小規模の診療を続けました。
しかし、産科の病室がなかったので、昭和22年頃から大東学園病院の産科を使用することになり、小児科医は聖路加の貞方亀代女医に赴任してもらいました。
私の三男が昭和26年に、大東学園病院で産まれ、私も病院を訪れ、守屋園長にお目にかかりました。その時の病棟の前の芝生の斜面の風景はとても印象的でした。「聖路加国際病院の100年」には貞方亀代医師は1945〜1953までは大東学園病院長と小児科部長に就任の記載があります。以上の事を私ははっきりと記憶しています。
聖路加国際大学名誉理事長。1911年10月4日生まれ。山口県出身。42年、京都帝国大学大学院卒業。ターミナル・ケア(末期医療・介護)の充実、「患者参加の医療」を提唱する一方で、医師・看護師の育成、予防医学や健康教育の普及など、現代医療の改善に向けて尽力を続ける。「成人病」にかわる「生活習慣病」という新語の提案者でもある。趣味は音楽、読書。座右銘は「平静の心」。
1946年に制定された日本国憲法13条には「すべて国民は、個人として尊重される。」と規定されています。これが憲法で最も大切な価値である「個人の尊重」(個人の尊厳)です。誰もが人間としての尊厳を持って生きる権利があり、また、同時に誰もがかけがえのない個性を持った存在として尊重されるという考えです。
豊かな人も貧しい人も健康な人もハンディキャップを負った人も誰もが人間として生きる権利があるという点では等しく尊重されるべきだということです。
この憲法ができる14年も前に創立者・守屋東先生は「誰もが大切にされるべきだ」という個人の尊重を教育目標として掲げてこの学園を創られました。憲法理念を先取りし、それを戦前戦後を通じて80年以上にわたって継承されてきた大東学園の生徒、保護者、教職員の方々には心から敬意を表します。そして、この素晴らしい学園で学ぼうとされている皆さんの無限の可能性におおいに期待しています。
「憲法を知ってしまったものの責任」から、日本国憲法の理念を伝える伝道師として、講演・執筆活動を精力的に行っている。夢は世界の幸せ総量を増やすこと。日本を人権先進国、優しさ先進国、平和先進国にすること。現在、弁護士として、「一人一票」の実現のために奮闘中。NHKの「日曜討論」や「仕事のすすめ」、テレビ朝日の「朝まで生テレビ」などにも出演。著書も多数あり、様々な媒体を通じて多くの方に向けたメッセージを発信している。
国連の「子どもの権利条約」というものがあります。これは子どもたちにさまざまな権利があり、それを大人たちは保障することと決めているものです。
学校は子どもが学び、生活している場所です。その場所が子どもにとって快適かどうか、そして子どもがその場所で生活するルールを決めるときに、子どもの意見を聞いて学校づくりをしていくことは当然のことなのです。そして、生徒のみなさんも参加して話し合いで決めたルール、自分たちでつくったルールを守っていくことで、みなさんは権利と責任ということを学んでいき、そのことで大人として成長していける、市民として成長していけるということになります。大東学園の三者協議会はそのためのものです。
21世紀の人類の課題は、平和・人権・民主主義だと言われています。大東学園では総合の授業で平和と人権を学び、三者協議会で生徒たちは民主主義を体験しています。この学園では3つの人類の課題を学んでいることになります。
そんな大東学園で学べることは幸せなことで、みなさんが大きく成長することを願っています。 (2015年度入学式祝辞より一部抜粋)
首都大学東京・特任教授。1953年長野県生まれ。早稲田大学卒業後、長野県の高校教員を37年間勤める。辰野高校には1996年度から2007年度まで 勤務。54歳で休職して大学院に入り、翌年から定時制に勤務しながら、東京大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。翌2013年度より現職。平和・国際教育研究会事務局長。教育科学研究会常任委員。